おすすめのCD/DVD(日本)
福田進一

   1.優しき玩具〜吉松隆ギター作品集

このCDはまさにギターの繊細な音色が、リリカルなメロディにぴったりはまって、吉松隆の私的(詩的)な世界をのぞかせてくれる。吉松隆は時に評論家から、そのメロディーがいかにも聴衆の心をくすぐるようなところを「あざとい」などと批判されることがあるが、私に言わせるとそこがまたいいのだ。郷愁を誘うメロディーとでも言うのだろうか、このCDを聴いていると幼い頃に見た風景や遊んだ友達の顔などがよみがえってきて胸が締め付けられる。

 特にお薦めなのは3曲目の「ベルベット・ワルツ」。和谷泰扶のハーモニカがもの悲しくて素敵だ。




   2.21世紀のタンゴ 

実に面白く,また洒落た企画盤だ。クラシックギター1挺でタンゴをやろうという考え自体が洒落ている。どの曲もそれぞれ個性的なタンゴないしその親類たちだが,@がアルゼンチン・タンゴの気分を出して秀逸。
                                                            
   3.ブラジルの風

ヴィラロボス、ペルナンブーコを中心とし他のブラジル風の曲も収めたさわやかなブラジル音楽の珠玉集。おすすめの1枚。  
   4.タンゴ・ミレニアム

名手フェルナンデスとの競演。ぜひ、聴いてみたい一枚である。
                                                            
   5.詩的ワルツ集

アルベニス、グラナドスなどのスペイン曲集。素晴らしい演奏。おすすめ。

   6.ショパニアーナ

タレガのショパン編曲を全曲。1864年製、トーレス製作の楽器が実に渋い音。ピアノ曲をギターで弾くにはムリがあるという面より、ショパンの音楽の持っている歌謡性、通俗性、民族性、そういったものが浮き出てくる。ショパンであることすら忘れそう。

   7.SHIN-ICHI FUKUDA plays J.S.BACH

なかなかバッハのアルバムを出さなかったが、待望のアルバム。バッハに対するこだわりからこれまであえてCD録音を避けてきたが、やっと秘伝公開。素晴らしい演奏に感動。

   8.ギタリスト伝説〜ジミ・ヘンドリクス

福田進一がまたまたやってくれちゃった。ジャズ,ロック,ボサ・ノヴァ系の伝説のギタリストによる作品,あるいは彼らに捧げられた作品を集めた好企画,そして名演集。およそクラシックの人とは思えない鋭いリズム感とビートに圧倒される。


   9.すべては薄明のなかで

コユンババ(ドメニコーニ)は最高です。福田進一の凄さを感じた。他にもブローウェルの美しい曲、武満と素晴らしいテクニックと感性で聴かせてくれる。


  10.ノスタルジア〜プロテーロと...

スペインのノーベル文学賞を受賞したヒメネスの詩「プラテーロとわたし」にテデスコがギター演奏をつけたものだが、このアルバムは詩の朗読は省かれている。勿論、朗読版もある。しんと静まりかえった自然の空間に,つま弾くギターの音色が美しくこだまする。福田のていねいな仕上げ,こまやかな表情の変化が,いつのまにか聴き手の心を鎮静させてくれる。コアなファン以外にもお薦め。録音も秀逸。


  11.アクアレル

クラシックの領域から外れた楽曲もある。たとえばそれらの曲にしても,彼のアプローチは気負いもハッタリもなく,曲の核心を捉え,見事。素晴らしい演奏だ。

  12.ソナタ ― ポンセ、ブローウェル、ヒナステラ、アサド

現在活躍中の若手ギタリストたちを育てた福田進一が、バリバリの実力派ギタリストとして取り組むのは、中南米のギター・ソナタ。セルジオ・アサドが福田に捧げた新作も収録。


  13.ヴィラ・ロボス:ギター曲全集

ヴィラロボス全集の決定版!


  14.WAVE~ジョビンへのオマージュ

長谷川陽子(vc)が福田進一(g)と組んで、ボサ・ノヴァやヴィラ=ロボスやアサドなどのブラジル系の音楽を録音。おしゃれでノリのよいアルバムに仕上がっている。他楽器とのアンサンブルにも意欲的な福田進一だが、チェロとは相性が良いらしい。聴いてみたい一枚。


  15.19世紀ギター・デビュー!

19世紀の音楽をそのまま再現したいという思いが伝わってくる。ソル、コストの作品が当時の楽器で聴ける。


  16.ジョンゴ

福田進一のセンスが光る南米の曲集。


  17.ブエノスアイレスの冬

タンゴのフルートとの二重奏曲集。タンゴのそもそもの始まりはフルートとギターとの組み合わせらしい。ピアソラの洒落た、素晴らしいタンゴが堪能できる。中でも「タンゴの歴史」、「ブエノスアイレスの冬」は素晴らしい。おすすめ

  18.ソル:作品集

19世紀ラコート製のギターを使用。ガット弦を張り調律も半音低い。現代楽器と比較して音色面が一番大きな違いだ。張力の違いだろう,豊かなニュアンスが出せる。そうした楽器の特性を十分に生かした福田の演奏はソルに新しい光を当てることに成功した。


  19.ソル:作品集(2)

ソルの音楽が19世紀初頭のヨーロッパでどのように優雅に鳴り響いていたかを探るのが私の夢です。ソルの指定した左手のみによるスラー、ハーモニックスなどの特殊奏法は出来る限りオリジナルどうりに再現し、曲によってはかなり遊んでみました。皆さんも、一緒にお楽しみ頂ければ幸いです。(福田進一:ライナー・ノーツより) ぜひ、聴いてみたい。

  20.イン・メモリアム〜武満徹ギター作品集

武満徹の曲をぜひ、福田進一の演奏で聴いてみたい。福田進一に献呈された2曲が収録されている。ポピュラーな曲もあるが、武満の曲は現代曲が多いので好き嫌いが分かれると思うが。

  21.CINEMA DREAMS

福田進一が「シンドラーのリスト」や「イル・ポスティーノ」などの名画の音楽を収録。サックスの須川展也、ヴァイオリンの加藤知子、ハーモニカの和谷泰扶ら、さまざまなゲストが参加。ぜひ、聴いてみたい。

  22.祈祷と舞踊 ギター・リサイタル

福田進一のデビュー版だったと思うが、実力を感じさせる名演。収録曲も難度の高い大曲ばかり。おすすめの一枚。

  23.Voyage~旅~

何も言うまい。福田氏のラテンに対する思いは凄いものを感じる。どのアルバムもそうだが、意欲的で常にテーマがある。この版は旅がテーマらしい。

  24.禁じられた遊び  (DVD) 

福田氏と渡辺氏の両ギタリストの合作。お互いにジャンルの違う音楽を指向してきたが、ギターを愛する仲間として美しい音色を奏でている。二人が所有する名のあるギターを次々と紹介しながら演奏が続いていく。デジタル出力は96kヘルツ、24ビットも出力しており良質のDAコンバーターで変換すればよりきめの細かい音質で鑑賞できる。




大萩康司

   1.島へ

大萩康司の第4作目。日本人の作曲者による全集。武満徹の作品も良いが、ギタリスト藤井敬吾作曲の「羽衣伝説」は超絶技巧を要するが音楽的にもその素晴らしさは感動する。渡辺香津美のジャズ風の洒落た曲や三味線との競演も素晴らしい。

   2.ブルー

おすすめは、ラベルの「亡き王女のためのパバーヌ」とディアンスの「タンゴ・アン・スカイ」。前者は非常に叙情的で美しく、後者はリズミカルでかっこいい曲。どの曲も大萩氏のセンスが折り込められた珠玉の1枚。

   3.シエロ

非常に美しい音と、センスある音楽性、リズムどれをとっても最高の奏者だと思うが、このアルバムはそういった奏者の特性が存分に生かされている。ラテン系のリズム、表現力は最高だと思う。

   4.11月のある日

ファーストアルバム。ブローウェル集となっている。テクニカルな現代曲もあるが、「11月のある日」などは非常に叙情的で他の奏者とは一線を画する才能が覗かれる。ファーストアルバムでブローウェル集というのは思い切った企画だと思うが、これは大萩氏の個性の表れかもしれない。




村治佳織

   1.ESTELLA(エステーラ)~Kaori Muraji SELF BEST

デビュー10周年における村治佳織自身が選んだ自己ベストアルバム。演奏は改めて弾いたものではなく、年代順に並べられているので、成長を伺い知ることができる。洗練された納得のいく選曲だと思う。村治ファンなら持つべき一枚。


   2.レスプランドール

ロドリーゴ全集第2弾。村治佳織は直接ロドリーゴからアドバイスを受けるなどしてロドリーゴとの交流があり、このアルバムは亡きロドリーゴへの賛歌とでも言うべきものかもしれない。ギターファンしかあまり知られていない曲ばかりだが、演奏はしっとりと歌い上げる好演である。


   3.パストラル

ロドリーゴ曲集の第1弾。ロドリーゴの比較的有名な曲が収められているが、レスプランドール同様、ロドリーゴへの深い愛着を感じさせる。演奏も洗練されており、素晴らしいロドリーゴ全集の1枚と言える。

   4.カヴァティーナ

バリオス、ディアハンターなどの映画音楽のテーマ、ラテンなど様々なジャンルが収められているが、どれも美しいものばかりを選曲している。彼女ならではの美しくもどこか優しさが込められているように思う。村治ファンおすすめの一枚。

   5.アランフェス協奏曲 [XRCD]

ロドリーゴにして素晴らしい演奏を言わしめた彼女の演奏はここにきて、才能を開花させてきたことが感じられる。演奏は数あるアランフェスの中でも最高クラスだと思う。ダイナミズム、音楽性、叙情性どれをとっても素晴らしい。

   6.シンフォニア

デビュー3作目のアルバム。スカルラッティ、バッハ、ヘンデルなどのバロック集。非常に美しい音で完成度が高い。バロックに対する奏者の愛着を感じさせる。


   7.グリーンスリーヴス(XRCD)

セカンドアルバム。シェークスピア時代の音楽ばかりを集めたアルバム。ファーストアルバムに比べて落ち着いた演奏が伺える。


   8.エスプレッシーヴォ

デビューアルバム。16歳のみずみずしい演奏である。曲目はパガニーニ、ジュリアーニと古典期の作曲家の作品ばかりだが、新鮮な感じを受ける。なお、パガニーニの「カプリース」は東京国際コンクール史上最年少で優勝したときの自由曲だった。テクニックと才能を感じさせながらも、どこか未完成の部分も残し、将来の可能性を秘めたアルバム。


   9.村治佳織: CONTRASTES (DVD) 

DVDの性能をフルに発揮させることを前提に、 日本のギター界の若き至宝、村治佳織が、スペインの大作曲家ロドリーゴの生誕100年を記念してアランフェス協奏曲他ソロ3曲をアランフェス宮殿で、またファリャ、トゥリーナらの作品をマドリッド近郊の町ペドラッサ、古城(マンサナレス城)などで映像収録した超話題盤。

   3か月にもわたるスペイン・ロケ、最新鋭デジタル・シネマ・システムによる撮影、一般観光客には入れない礼拝堂も含め世界初のアランフェス宮殿での演奏映像、スペイン気鋭の映像ディレクター、ジョアン・リエドベックの起用による映画的制作、どれをとっても人気・実力ともにず抜けた村治だからこそ実現したぜいたくな企画。

   遠い異国スペイン独特の微妙な光と影と空気感、大理石の回廊の音、そして演奏する村治の息づかい…。最新鋭ハイビジョン映像のディテールと5.1chサラウンド音響の効果を満喫できるという意味でも絶好の作品だ。そしてここから浮かび上がってくるのは、ビジュアルばかりではなく、ひたすら純粋に音楽に没入する村治の凛(りん)とした精神の美しさである。とりわけエンシナル指揮マドリッド州立交響楽団をバックに演奏したアランフェス協奏曲は、村治をはじめ全員が息をのむような集中力で、画面から眼が離せなくなる出色の出来。あらゆる音楽ファンを納得させる待望の映像ソフトの登場である。




田部井辰雄

   1.鳥の歌

クラシックの名曲から中村八大まで、世界中の多くの美しいメロディをギタリスト田部井がカヴァーしたアルバム。絶妙のアレンジとセンスを聴かせる、こころに染みこんでくるような作品集


   2.エル・スウェーニョ(夢)

スペインに限ったソル、タレガ、アルベニスという定番的曲集。
                                                            
   3.大聖堂

バリオス、ヴィラロボス、アルベニス、グラナドス、タレガというこれも定番的曲集。
                                                            
   4.シャコンヌ/ギター・コンサート

実力派の演奏という感じで安心して聴ける1枚。特に個人的にはテデスコのソナタの演奏が気に入っている。

                                                            
   5.バッハ : リュートのための作品全集

   
ハウザー1世から貢ぎだされる分離の良い、クリアなバッハの音は至福の時を与える。セゴビアとハウザー1世を愛する田部井氏の入魂のアルバム。




壮村清志

   1.森の中で/武満徹へのオマージュ

武満徹の死にあたって,ギターでも数々の追悼盤が作られたが,この荘村盤は中でも注目。何しろ武満に最初のギター作品(「フォリオス」)を書かせ,最後のギター作品(「森のなかで」)を捧げられた奏者なのだから。しみじみと弾き込み,心にしみる。ぜひ、聴いてみたい1枚である。


   2.天使のミロンガ

荘村清志のデビュー30周年を記念して録音したピアソラの曲。フルートの名手グローウェルスのために書かれた「タンゴの歴史」の二重奏で、軽快なラテンのリズムの中にもしっとりとした味わいを添えるあたり、荘村らしい洗練された感性が際立っている。




山下和仁

  
1.タンスマン:ギター作品集

タンスマンの全集を聴ける貴重な一枚。演奏も昔のようなテクニックを感じさせるのではなく、音楽性が伝わる円熟した名演。

   2.ポンセ : ギター・ソナタ全集

南のソナチネとソナタ・メヒカ−ナが、中でも圧巻であり、流石、世界の山下であると唸らせるアルバムで有ると思います、これは、聞かないと損ですよ、本当にお勧めです!


   3.黎明期の日本ギター曲集

すべて明治生まれの作曲家による作品ばかり。箏曲のような響きあり。演歌のような響きあり。そして西欧風な新しい響きあり。さまざまな要素が絡み合うこれら日本の洋楽黎明期の音楽が、山下のしっとりとした暖かな音色によって息を吹き返した。味わい深く新鮮。


   4.黎明期の日本ギター曲集II

埋もれてしまった大正期から昭和初期にかけてのギター名曲を掘り起こした好企画『黎明期の日本ギター曲集』の第2弾。天才・山下和仁が知られざる佳曲を生き生きと蘇らせる。非常に価値ある一枚ではなかろうか。


   5.ザ・ブルー・ギター

ブルー・ギターは解釈・演奏とも難しい曲だが、山下はその決定的名演をここに収めている。作曲者に直々に会いに行ったそうだからよほど思い入れの強い曲なのかもしれない。


   6.ファンダンギーリョ〜スパニッシュ・リサイタル

山下和仁が円熟した演奏となる転換期の演奏のような気がする。曲も充実している。


   7.はちすずめ◎インドの歌 /山下和仁ギター小品集2

山下和仁の新録音は91年以来久しぶり。オリジナルあり,編曲ものあり,バラエティに富む選曲。1曲1曲が独創的で,ギターの扱いもそれぞれ異なる。山下は手際よく見事に弾き分けていて,この楽器の奥の深さを見せてくれる。


   8.鳥の歌〜ギター小品集

様々な時代、ジャンルの小品集が集まっている。初心者用から超絶技巧を要するものまで出てきてある意味、楽しいが山下の手の動き、表情が見えてDVDの方がより楽しめる。


   9.バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲

山下の成長(成熟?)を物語る素晴らしいCD。曲想は深みを帯びて聴く者の感動をいや増し,激しいタッチでともすれば固くなりがちだった音色も丸みを得て好ましいものになり,しかも激しさは失わない。緩徐楽章の味わいなど驚嘆すべき深さに達している。


  10.バッハ:リュート組曲(ギター版)

凄いの一言。ハイパーなスピード感を感じる。がしかし、これぞ、山下和仁らしくて時々聴いてみたくなる。


  11.バッハ :無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ

ギターで初めて全曲を取り上げた意欲作。テクニカルな感じもするが、山下らしいバッハなのかもしれない。


  12.展覧会の絵&火の鳥

  
交響曲をギターソロにするという荒唐無稽な試みをやってのけている。コンサートで直接聴いたことがあるが、凄い!の一言。多少の無理は承知だが、ここまでやってのけるギタリストはやはり天才と言うしかない。発売当時賞賛の渦を巻き起こした山下版「展覧会の絵」。今聴いても,大胆で完璧な編曲と演奏に驚きを禁じ得ない。特に音色の多彩さはすばらしい。

  13.鳥の歌/ギター小品集 (DVD)

選曲は音楽的にもギターの技術的にもバラエティーに富んだものであり、何度観ても飽きない。それどころか、観る毎に感動の度合いは深くなる。ギターを弾くものにとっては、彼の見事な演奏技術が目の前で見られるのだから感激だ。個人的には彼自身の編曲による「中央アジアの草原にて」が1番のお気に入り。自らの音に耳を澄ますような彼の演奏姿勢には、音楽に対する真摯な姿勢が強く感じられて胸を打たれる。




安部保夫

  ギター芸術の世界 

アストゥリアス、グラナダ(アルベニス)、スペイン風セレナーデ(マラツ)、アデリータ、dアルハンブラの想い出、ゆりかご、カプリッチョ・アラべ、グラン・ホタ(タルレガ)、グランド・ソロ、モーツアルトの主題による変奏曲(ソル)、スペイン舞曲第5番(グラナドス)、ギターのためのトッカータ(伊福部昭)、ソナタ(トゥリーナ)

 阿部保夫の貴重な遺産をまとめたベストアルバムです。1966〜1971年発売のアルバムからの選曲で、ソル、タルレガ、アルベニス等の名曲15曲を、超絶技巧と温かみのある表現で聴く事ができます。東芝EMIの音源をジネット・ヌヴー協会ジャポンがCD化しました。LPを持っていないので、数年ぶりに阿部の演奏を聴きましたが、こんなに凄かたっけ!と驚くばかりでした。永久保存の最高の名盤だと思います。















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