ギターの歴史

ギターはオルガン族に次ぐ古い歴史を持った楽器で、起源は古代エジプトのネッフェルまたはオードに発します。
メソポタミア、エジプトをはじめ古代文明が残したテラコッタや石の浮彫にはギターに似た、胴体、棹、糸蔵をもつ弦楽器が見られます。

ギターの先祖、「キタラ」が生まれたのは古代ギリシアの時代と考えられていて、ギリシア神話に出てくるアポロ神の楽器という説もあります。


この楽器がアッシリアからペルシャ、アラビアを経て、サラセン軍の侵入によりスペインに輸入され、16世紀に至ってギターの前身であるビウエラになったといわれています。


 711年、ムーア人のイベリア半島占領によってスペイン経由でヨーロッパにギターの直接の祖先と言えるリュートが伝わり、15世紀になるとパバーン、ガリアルド等の舞曲やファンタジアに使われるようになり、15〜6世紀で最もポピュラーな楽器となった
のです。

 スペインに伝わったリュートは、イタリア等他のヨーロッパの国々におけるそれのように、楽器として重要な役割を演じられず、ビウェラ(ビゥエラ・デ・マノ:手で弾くビウェラ、イタリアのヴィオラとは違う)へと変化していきましたが、リュートのボディが西洋なしを半分に切ったように丸みを帯びた形をしているのに対して、このビウェラはフラットで今のギターのようです。中世におけるビウェラは、正確には、この弦楽器のさまざまな形態全般を示す属名で、1328年の「アルフォンソXI世の詩」の中では、「アラビア人のビウェラ」と「ローマ人のビウェラ」「アラビアのギターラ」といった表現が使われ、区別がされていたようです。そして、それらの中の、ある種のギター属とヴィエラがヨーロッパで発展したと言えるそうです。これがリズム主体のスペイン舞踊に改良されてギターへと変化していったそうです。その当時(16世紀〜18世紀)のギター(ギターラ)は、弦が4対、5対と定まっておらず、しかもダブルストリングスがほとんどだったということです。サウンドホールもすかし彫りのあるものでした。

ビウエラ リュート リュート(裏面) リュート(横)


 ビウエラの傑出した音楽家としてはドン・ルイス・ミラン、ルイズデ・ナルバエス、アロンソ・ムダーラなどがいます。特にナルバエスは変奏曲形式の先駆者としても注目に値します。このビウエラの16世紀末にはクラビコードやバイオリン族の発展により衰微します。その後を最盛期はわずか50年であったが、ビウエラの地位をギターが奪います。 従って、ギター音楽も高度なものになり始め、続いて18世紀にリュートの衰退をギターは肩代わりし、5複弦スペイン・ギターとしてリュート音楽の遺産を受け継ぎ、ギター音楽が確立されていきます。
この頃の代表にコルベッタ、ガスパル・サンス、ラカデミコ・カリジノーソなどがいます。

 
 18世紀末から19世紀初頭はギターの黄金時代で、大ギタリストがぞくぞく現れました。その中でも、フェルナンド・ソルは特に有名でギターのベートーベンと評されギター曲に不朽の名作を数多く残しました。その他マウロ・ジュリアーニ、フェルナンド・カルリ、教則本のマテオ・カルカッシなどが活躍したのもこの頃です。
 また、バイオリンの鬼才ニコロ・パガニーニはバイオリン曲以上にギター曲を残し、シューベルト、ウェーバーは室内楽に、ロッシーニはオペラにギターの活躍の場を与えてくれました。

 このころ、6弦で丸いサウンドホールのものが作られました。これは、「巻き弦の発明」が大きな意味をもっているそうです。弦の振動によってさらに低い音を得る為には波長が拡大されねばなりません。それは弦長を長くするか、太い弦を用いるか(太いガット弦の音は最悪だったそうです)、密度を高くして重くするかしかありません。限られた大きさの楽器には「巻き弦」という高密度の弦の製作技術が不可欠だったわけです。新しい弦素材は、響きの上でも倍音が豊かで、複弦である必要もなくなり、ギターは「6コース単音弦」へと発展していきました。

 このころ使用していたギターは19世紀ギターと呼ばれ、イギリスのラコート、フランスのパノルモが代表的な製作家として知られています。

パノルモ ラコート


 クラシックギターの完成は、19世紀後半になってアントニオ・デ・トーレス・フラド(1817〜1885)によってなされました。フランシスコ・タルレガ(1852〜1909)が、このアントニオ・トーレスのギターを愛用して、ピアノや他の楽器の発展の為に人気のなくなっていたギターが再び脚光を浴び、アンドレス・セゴビア(1893〜1987)や、ナルシソ・イエペス(1927〜1997)らのクラシックの巨匠達によって、世界中に広まりました。

アントニオ・デ・トーレス


 アントニオ・トーレスがクラシックギターを完成した頃、C.F.マーチンがギター作りを始めています。鉄弦ギターをマーチンが製作しはじめたのは、1922年だそうです。ヨーロッパでガットのギターが発展し、アメリカで鉄弦のギターが発展したことは、偶然と言うよりは、生活上でアメリカでは鉄線がなくてはならないものであったことと深い関係があったと言われています。初めての鉄弦ギターの製作は1900年初頭で、ラーソンブラザーズ(1880sスウェーデンから移民)が、大音量化を目指して、マンドリンのスティール弦に注目してギター製作をしたのが始まりと言われています。
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